急性腸間膜動脈閉塞症はどんな病気?
腸間膜動脈は腸の大部分に血液を送る動脈で、急性腸間膜動脈閉塞症は腸間膜動脈が血の塊である血栓や塞栓などによって急に血管を塞がれてしまう病気です。急に血液が止まる為に側副路も発達せず血流が停止してしまいます。その為腸管は腹膜炎となり徐々に腸管が壊死して腐ってしまいます。早期に血液の流れを元に戻さなければ生命の危機がある急性疾患です。
急性腸間膜動脈閉塞症の主な症状は?
急性腸間膜動脈閉塞症の主な症状は、最初は突然、刺すような激しい腹痛が来ます。また、血液検査によって白血球の数の増加が確認できます。しばらくすると、腹部を触る度に反射的な痛みが生じるようになります。また少し時間が経過すると、腸の内容物が滞ることによる腹部膨満感、嘔吐を伴うようになり、発熱や脱水、血便なども現れます。この症例は進行がとても速く、数時間でショック状態に陥ります。
急性腸間膜動脈閉塞症の主な原因は?
腸間膜動脈が急に閉塞して血流が止まってしまう急性腸間膜動脈閉塞症の原因として、血栓症と塞栓症があります。血栓症は心房細動などによる不整脈によって血液が滞り、血の塊である血栓ができます。血栓が血流に乗って腸間膜動脈を閉塞してしまう場合に起こります。塞栓症は動脈硬化などによって血管内が狭くなり、血管壁が崩れた時に起こります。
急性腸間膜動脈閉塞症の主な検査と診断方法は?
急性腸間膜動脈閉塞症の検査方法は、血管造影検査やCT検査によって行います。血管造影検査や造影剤を用いたCT検査を実施することによって、異常を発見し診断を行うことができます。また、超音波検査も判断を行う上で有効な検査手段です。さらに、心房細動を要因として発症した場合には、検査での診断がつかなくとも手術による直接確認が必要です。
急性腸間膜動脈閉塞症の主な治療方法は?
急性腸間膜動脈閉塞症とは、小腸や大腸に栄養を送る血管が狭くなったり閉塞することで、腸が壊死する病気です。この病気の治療法は、発症後6時間以内であれば線溶剤を血栓内に注入することで血流は回復します。そうでない場合、ただちに開腹手術を行ない閉塞した腸管や壊死した部分を切除します。これと同時に、腸間膜動脈の血栓や塞栓の除去、もしくはバイパス術により血流の完全再開を行ないます。
急性腸間膜動脈閉塞症の初診に適した診療科目